【玉利タマリの消しゴム判子展】@大阪現代画廊。消しゴム判子展、作家さんのオモシロが詰まっていました。

玉利タマリ 消しゴム判子展

玉利タマリさんの消しゴム判子展。最終日に滑り込みで見に行きました。日々の気づきを消しゴム判子とコメントで綴った日記をはじめ、消しゴム判子の挿絵がついたZINなどなど、玉利さんのオモシロがぎっしりつまった展覧会でした。

目次

玉利タマリさんと作品

玉利タマリさんは消しゴム判子によるイラストレーションの作家さんです。
判子は消しゴム版画用の大きな消しゴムをナイフでカットして作っておられます。

印象に残る作家名は、旧姓の「玉利」+ちょっと面白いと思って名を「タマリ」としたそうです。
たまりたまり…いいですねえ。

「前も個展にきてくれましたよね?このフォルム(わたしをぐるぐる指さして)に見覚えがあります」と言われたのですが…行ったことがあったのだろうか、わたし。
グループ展か何かで作品を見たことがあるとは思っていましたが、個展に伺った記憶はないのでした。
それにしても一見さんの観覧者を覚えているとは、プロってすごいです。

日記

壁面いっぱいに消しゴム判子の日記の1ページをいれた額が展示されていました。
日々の気づきを消しゴム判子とコメントで綴っておられます。
どれもほんとに小さな気づき
俳句でいえば「ただごと」で、クククッとおもしろい。
1点たったの1000円で売っておられました。
何と言う薄利多売!
撮影許可をいただきましたが、うまく撮る事ができず…せっかくの日記がどれも見づらい。

今日梅雨入りしましたが、オール5の梅雨らしさにテンションが上がります!

ZIN

体験したこと考えたことなどを消しゴム判子+文章で小さな本にしておられます。
コピー用紙をステープラーで綴じただけの簡易なZIN。
けっこう赤裸々な内容のものもあり、こういうのがいずれ出版社の人の目にとまって本になったりするんだろうな~と思いながら立ち読みしました。

イカがあちこちに出てきます。
玉利さんもDr.ハインリッヒと同じくイカに注目しておられるのか。
Dr.ハインリッヒはイカは知能が高くてスピリチュアリティだと言ってましたが、玉利さんはどういう理由で注目しておられるんだろう…聞きそびれました。

お味噌汁

さまざまなお味噌汁とごはんの消しゴム判子による版画作品。
画題がお味噌汁だからということだけではなく、あったかい作品です。
わたしはこのシリーズが一番いいと思いました。
キムチのお味噌汁とフレーク海苔がかかったごはんの版画を購入しました。
お味噌汁作品はたったの2000円!薄利多売です。

古判子市

使えない歴代のハンコを100円で販売する「古判子市」を開催しておられました。
おもしろいのがいっぱい。
こんな手間のかかった判子を100円で売るなんて。
浮世絵だったら宝物みたいに展示している、あの版木を大放出しているようなもんです。
太っ腹~。

古はんこ

その他、普通のキレイな版画や押し放題のワークショップ?コーナーなどもありました。
「個展」っていうより「イベント」って感じです。
それも作家さんの親しみやすいお人柄がどっかんどっかん出ている。

消しゴム版画とナンシー関さん

消しゴム版画は、20年ほど前に亡くなったコラムニストのナンシー関さんが世に広められたジャンルです。
ナンシー関さんの版画は1コマで相当面白いし、緻密だし、当時はこの完成度を越えて消しゴム版画のジャンルに堂々と参入できる人はいなかったと思います。
本来なら手軽だし参入しやすい分野なんだけど。


何をかいわんや (角川文庫)


OL時代、会社帰りに毎月新作落語を聞きにサブカルの殿堂(当時)扇町ミュージアムスクエアへ行っていました。
その落語会のゲストにナンシー関さんが来られたことがあり、個展も同時開催でした。
展示作品はほのぼのした昭和の皇室ネタ。
もちろん皇室をイジった作品ではありませんが、大っぴらにできない、メディアには出せない作品だということでした(当時は)。
個展は絶妙なテーマ、高い完成度!心に残るめちゃくちゃいい展覧会。
もともと好きだったナンシー関さんがもっと好きになりました。

その後ナンシーさんはたったの39歳で亡くなられます。
亡くなったとたん「消しゴム版画」の作家が雪崩のごとく出てきました。
今やあらゆるタイプの良い作家さんがたくさん活躍しておられます。
玉利さんもその中のおひとりですよね。
消しゴム版画の作品を見ると、ナンシーさんは消しゴム版画を発展させるために早く天に召されたのかも…と思ったりします。
ナンシー関さんはすごい人です。
消しゴム版画、今後どんなおもしろい作品が出てくるでしょう。
たのしみです。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • リビさま
    消しゴムはんこは、可愛らしいものというイメージだったので、
    個性的な作品が、私にとっては新鮮に感じました🤩
    ナンシー関さんも、何かで紹介されていたのを見て
    お名前と、風貌は知ったけれど、詳しくはわからない感じでした💦
    私の中の、消しゴムハンコのイメージが変わりました😳

    • リンゴとコトリさま
      コメントありがとうございます。
      ナンシー関さんの消しゴム版画の画集、ぜひ立ち読み(立ち読みじゃなくてもいいけど)
      してください。
      これぞ元祖消しゴム版画ってかんじ!おもしろいです。

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