よしもと漫才劇場のライブ「C2P2」終了後、手売りチケットを買わずに帰って後悔したヒューマン中村さんの漫談ライブを配信で見ました。配信って便利ですねえ。
ヒューマン中村さん
ヒューマン中村さんはよしもと漫才劇場所属のセンス抜群ピン芸人。
R-1ぐらんぷりクラシックMVP(エムブイピン)。
大喜利ライブやセンス良しライブC2P2などなどでご活躍です。
ツイッターでバズったネタを一冊にまとめた「おもしろ漢字辞典 こんな漢じでどうですか?」をKADOKAWAから出しておられます。
フリップ芸やコント中心でやってきたがこれからは漫談にも力を入れるそうで、漫談狂時代はその一環とのことです。
誰もが認める抜群のセンスだと思いますがとても謙虚で、このライブでも謙虚爆発でした。
華がないのが残念!…というのはごく個人的な感想です。
漫談狂時代
3~5分のネタ8本と、余った20分で各ネタの振り返りコーナーがありました。
おもしろい構成です。
本番では早口になることと、ネタがとぶことで時間が余るそうです。わはは。
劇場で見ているお客さんの中に、ず~っと高い声でアハハハハッと笑っている女性がおられました。
ヒューマンさんのネタとかわらぬボリューム。
ヒューマンさん(のネタ)が大好きなのね。
つかみ
「どこでもしゃべれるような話じゃないんですけど…」とスタートされました。…なんで?
強風の日にベランダのサンダルが片方、仕切りの下を通って隣にとんで行ったそうです。
近所づきあいもしていないし買い替えようかな~とおもっていたところ、次の強風のタイミングでサンダルが戻ってきました。
これは強風に乗じて隣の人が戻してくれたのでは?
で、隣の人がちょっと好きになったそうです。
会社からいわれて資格を取るため講習を受けに東京に行ったそうです。(ギャラなし)
スタッフは講師の先生(色っぽい男性)とアシスタント(セクシーな女性)の二人。
講師の先生はアシスタントにビジネスライクに接しておられましたが、ふとした拍子に下の名前で呼んでしまって苗字で呼びなおされました。
ヒューマンさんの見立ては「たぶんデキてますよね。」
生々しくてリアルだったそうです。
何の資格かは、合格したら報告しますとのことでした。
漫談
一人旅
ヒューマンさんは一人旅に行きたいとずっと思っているが、行っていない。
「インドに行ったら人生観かわる」という人がよくいるが、「人生観がかわる」のが怖くて行けない。
いい方向にかわるとは限らないし…。
という、いわれてみればその通りな話。
その点にまつわるシステムの話などもあり、さすがのおもしろさ。
フードファイター
「フードファイターお断り」と貼り紙している店がある。
ということは、そのお店で出禁になるのがフードファイターにとってはステイタスで、
出禁になったら確定申告の職業欄に「フードファイター」と書けるんじゃないか、
とかいいながら展開する話。
店長の行動がハートウォーミングです。
地獄
地獄行きを覚悟できるように地獄について調べてみた。
針山地獄、釜茹で地獄、血の池…行ったことなくても知っている有名な地獄はシンデレラ城並みです。
まあでもそんなにビビらなくても、どうせ1日目はそのアトラクション(地獄)に参加するため並ぶだけで終わる。
順番待ちの列に並ぶ間のエピソードいろいろ。
新幹線のワゴンサービス
新幹線でワゴンサービスが来るとテンションがあがるヒューマンさん。
軽食だけでなくもっと高級な食べ物や、食べ物以外のものを売買できればいいな、というなるほどな話。
細かいボケがとってもおもしろいのでした。
温泉旅館
ヒューマンさんの実家は和倉温泉の近くだそうです。
旅館に泊まると、お風呂入ってご飯食べて部屋に戻るとふとんが敷いてあって感動します。
なんで旅館側は宿泊客が部屋を出たってわかるんやろ?
というところからはじまる「まさかぁ」な考察。
ゾンビ
ヒューマンさんは人見知りで優柔不断なのでゾンビになりたくないという話。
「こんなゾンビはいやだ、どんなゾンビ?」という大喜利みたいなネタでした。
聖徳太子
歴史上の偉人は、功績の裏に素敵な逸話がある。
聖徳太子は10人の話を一度に聞くことができたというが、くちぐちに話しかける「まわりの10人」がヤバいという話。
いろいろな偉人のエピソードが出てくるネタのリメイク版。
飛鳥人物伝 聖徳太子 (コミック版日本の歴史)
怪奇現象
急に電気がついたり消えたりする怪奇現象は電気代がかかるのでやめてほしいですね。
いろいろな怪奇現象についての話。
今までやったネタをふりかえる時間
センターマイクにかわって、ネタのルーズリーフを置いたボロい机が出てきます。
一人旅のふりかえり
人生観が変わるのが怖くてインドに行けない人のネタですが、怖さを風刺した痛烈な作品。
「ヒューマン中村の意欲作」だとのこと。
好きなことを言えたそうです。
「インド行ったことある人います?」と客席に投げかけておられましたが、ゼロでした。
フードファイターのふりかえり
「フードファイターお断り」の店に実際行ったことがあるそうです。
フードファイターは、わかりやすいことをやっているのによくわからない職業で、
「確定申告の職業欄に書けるかどうかはこの店で出禁になるかどうか」だと。
みんなが「フードファイターだ」と認識しないと成立しない職業である
ことを風刺した痛快な作品だそうです。
…ここまでしゃべって、
「どうですか?この振り返り要ります?同じこと2回言ってるようですが」
と客席に問うヒューマンさんでした。
地獄のふりかえり
地獄は基本行列なので待ち時間が長いというネタなんですが…「って思った」っていうだけのネタ。
言い忘れたことをここで付け加えられたのですが、
そのくだりがあった方がずっと面白いじゃないか!というエピソードでした。
ここをまるまる忘れて、テンパったそうです。
振り返りの時間があってよかった。
新幹線のふりかえり
新幹線のワゴンサービスについては「伝わった!」と思ってうれしかったそうです。
「こういうのが好きなんだな」とわかったので、こういうのばかりやればよかったと思ったって。
寄席ではウケないだろうけど……何ででしょう?
好きなボケを入れたら、それが伝わってうれしかったそうです。
わたしもそのボケ好きです。
温泉旅館のふりかえり
「まさかぁ」な部分はみんなもヒューマンさんと同じ想像をしてくれて、楽しくできたそうです。
嬉しかったから、振り返りの場でさらに詳しく描写しておられました。
まるまる言い忘れたエピソードをふたつ付け加えられました。
よくそんな大事なくだり、とばすなあ。
振り返りがあってよかった。
ゾンビのふりかえり
等身大のいいネタができたと思ったけど、「そんなことなかった」そうです。
ゾンビはみんなやってるから今更だったのかなぁ…と反省しておられました。
このネタの発想の起点は、優柔不断な自分がゾンビになったら?ということだそうです。
このネタのように大喜利チックなボケがあるものか、
旅館ネタのようにまさかなエピソードがあるものか、どちらがいいんでしょうね?と客席に問いかけておられました。
聖徳太子のふりかえり
リメイクだけど8割変えてるからほぼ新ネタ。
偉人ネタの中の聖徳太子をふくらませました。
怪奇現象のふりかえり
ネタ中、わかりにくそうなエピソードについていっぱい説明したことを反省して謝っておられました。
そして、言い忘れたくだりをここで発表。
ぜったいそこがあるほうが面白い。
振り返りの時間があってよかった~。
エンディング
しばらく無言。
前代未聞の「黙ってエンディングを待つ4分にしよう」かと思ったとのこと。
余った時間を持て余しながら、反省と「甘えてはいけない」を繰り返されます。
なんて謙虚なの。
「漫談はむずい」そうです。
簡素で完成度が高いっていうのが一番難しそうですよね。
9月のしゃべくり話芸大賞に漫談でエントリーして、入賞を目指しておられます。
期待です!
今年の漫談ライブはこれが最終、次は来年。
「漫談狂時代」は、先日の藤崎マーケットトキさんプロデュース「Yuzuru Mania」の超華やかな舞台とは対極の超シンプルな舞台でした。
どちらも面白い。
どちらも次回は劇場で見たいものです。
コメント
コメント一覧 (2件)
リビさま
ヒューマンさんの目の付け所が本当に面白いですね😆
漫談ライブめちゃいいですね〜🎶
ふりかえりも楽しそうですw
しゃべくり話芸大賞、決勝に残って欲しいですね!!
もし残られたら、応援にいかなければと思いますけど、
しゃべくり話芸大賞は、ネタ披露以外の時間が長いのがちょっとしんどかったりします💦
リンゴとコトリさま
コメントありがとうございます。
ヒューマンさん、話芸大賞頑張ってほしいですね!
話芸大賞といえば10年ぐらい前、アルミカンが優勝したときに決勝戦を見ました。
連れてってくださった方が「妹が審査員してる」とおっしゃったのでめっちゃくちゃびっくりしました。