少し前に断捨離をして、要る本だけ残した息子の本棚に「ないた」という古い絵本がありました。
子どもが7歳のときの本。買った覚えがないけれど、買ったんだろうなあ…すっかり忘れていたので、初めての感覚で読みました。
ないた
泣き虫の「ぼく」は泣いてばっかりだけど、おとうさんの泣いているところは見たことがない。
おかあさんが布団の中で涙をツーって流したけど、「泣いてるの?」ときくと「ううん」と答えます。
おとなはなんで泣かないんだろう…っていう内容。
主人公のぼくは痛くて泣いて、悔しくて泣いて、怖くて泣いて、悲しくて泣いて、安心して泣きます。
自分に起こる出来事に正面からかかわりあって涙を流す。
こどもがいつでもどこでもストレートに泣けるの、まだ心がやわらかいからですね。
「ぼく」のおかあさんはなんで涙を流していたのか。
ほんとうは泣いていたのか?
それは悲しいから?しあわせだから?
それともあくびをして涙を流しただけなのか。
なんでおとなになると泣かなくなるのか…
ですが。
10数年前子どもの小学校の卒業式で、若い男性の先生方(というからには複数人)が泣いておられたのでびっくりしました。
当時職場の同僚にその話をすると、
「その先生たち、30歳ぐらいじゃない? その年代は泣くよ!うちの息子もよく泣くのよ」とのことでした。
確かにそのぐらいのお年頃の先生方でした。
ということは、今40代前半ぐらいの男性は泣くってことなのね。
泣いた方がストレスがたまらなくていいと思います。
今はおとなが泣くから、今の小さい子どもたちにとって「ないた」は共感できないかもです。
絵:長新太さん
この絵本を買った覚えがないのですが、長新太さんの挿絵だからわたしが買ったんだろうと思われます。
子どもの頃から長新太さんの作品が好きなのです。
「ないた」のおはなしは考えさせられるものですが、長新太さんの絵がクセ強めでおもしろいからニコニコしながら読めます。
顔がのっぺらぼうで不安な気持ちになるシーンでさえ、ちょっとおもしろい。
さすが「ナンセンスの神様」です。
長さんの描く動物や人は独特のクセがあってユーモラスです。
線や色は明るくて粗くて(雑なんじゃないです)気持ちよい。
とくに黄色、オレンジの印象が強いのは、合わせている緑や青の加減でしょうか。
「ないた」に限らず、おもしろい作品がいっぱい
「きゃべつくん」シリーズなんてアホさがすばらしい。
ブキャ!
作:中川ひろたかさん
シンガーソングライターかと思っていたら絵本作家でもあったという作家さんです。
子どもが小さい時、いただきもののCDをよく聞いていました
「カメの遠足」という歌が特におもしろい。カメが遠足の3日前からリュックにおかしを詰め、大好きなチョコレートがとけてベタベタになったり、集合場所に行ったらもう誰もいなかったりするのんびりエピソード満載の歌。
急いで行けばすぐおわるだろ のんびりいけばまだまだ続く。
みたいな歌詞があります。
なるほど、ものは考えようだなあ、という歌詞です。
Apple Musicで久々にきいて再び「ものは考えようだなあ」と思い、じわじわっと
ないた。
コメント
コメント一覧 (2件)
リビさま
改めて絵本を読んだり、曲を聴いたりすると
また違う気持ちになったり
一瞬であの頃に戻ったり。
いろんな感情が出てきますね。
実は、長新太さんの絵本を読んだことがなく💦
ご紹介の2作品は近くの図書館には蔵書が無いようなので、取り寄せてもらうか、中央図書館に行ってみる予定です😊
どちらもとっても気になります🧡
「カメの遠足」も初めて知りました。
歌詞を調べてちょっと切ない気持ちになりましたが
諦めない、前向きなカメさん。
本当にものは考えようですね✨
リンゴとコトリさま
コメントありがとうございます。
長新太さんの本、どれもいいので楽しんでください!
よくわからないつっこみどころ満載です。
ああ、おもしろい!