「麗子像」で超おなじみ 岸田劉生展と、ギャラリーモーニング さかいはるか展を見てまいりました。
gallery morning kyoto さかいはるか展 いびつでやさしいⅢ
ギャラリーモーニング京都は、京都市営地下鉄 東山下車、三条通を東(蹴上方向)に。三条通と岡崎通が交わった角にある現代美術のギャラリーです。
さかいはるか展 いびつでやさしいⅢは、大小の絵が二部屋にたくさんあって見応えがあります。
濃色の絵の中の、大きく白抜きされた部分が印象的です。
ざらっとした質感の麻紙(紙の起源といわれる素朴な紙)にドーサ引き(ミョウバンと膠の混合液を塗る)した上に、油性色鉛筆で描いておられるそうです。
麻紙の繊維にやわらかな油性色鉛筆が絡んでフェルトのような質感になっています。
何が描かれていても、どんな色が使われていても、白く抜いてあるところも全部が暖かく見えます。
キラキラとかわいいモチーフは、こう見えて実は毒を含んでいるのかも…と想像しますが、それもあれもこれも暖かく包み込む絵なんだろうと思います。
さかい先生(子どもの通っていた高校の先生です)ご自身もとてもあたたかい方です。
過去~現在の作品写真が納められたファイルも、作品の変遷が見えて面白かったです。
ギャラリーモーニング京都 2022 2/11(金)~2/20(日) 12:00~18:00
京都国立近代美術館
岸田劉生と森村・松方コレクション
大阪の国立国際美術館でOKパスポートを入手してから行くつもりだったのですが、せっかく近くのギャラリーモーニングまで来たのでついでに行ってしまいました。
京都国立近代美術館が昨年3月に42点収蔵し、全部で50点になったお披露目の展覧会です。
岸田劉生といえば「麗子微笑」ですが、そんな教科書に載ってる作品「以外」の作品が見られます。
若いころゴッホに影響された絵、宗教画(クリスチャンだったそうです)、水墨画、日本画、版画…いろいろあって、
想像以上におもしろかった!
「麗子」の絵もたくさんあります。
いちばんおもしろいなと思ったのは、コンテと水彩のドローイングで「二人麗子」「三人麗子」と、登場人物が全員麗子な作品です。
そんなつもりはないのかもしれないけど、妙にユーモラスでした。
岸田劉生の風景画といえば、印象派や日本画みたいに風光明媚な景色を描いたものではなく、不愛想で迫力がある
「道路と土手と塀」が有名です。
今回、同類の不愛想な風景画「門と草と道」を見まして「この展覧会にきてよかった」と思いました。
ぐっときた。
水墨画や日本画は完全に「絵がうまい人」の達者な絵。
どれもすごかったけど、水墨画の「寒山拾得」や日本画の「一見四水」など、絵がうまいだけではなくて仕上がりが大人すぎます。
30代でこんなに描けるの?
38才でなくなっているから、全部それ以前に描いたものです。
精神年齢は実年齢プラス30歳だったんじゃないだろうか。
岸田劉生と森村・松方コレクション
2022.1/29(土)~3/6(日)月休 9:30~17:00(入館16:30まで) 金・土は~20:00(入館は19:30まで)
一般1500円、大学生1100円、高校生600円、それ以下無料
2021年度 第5回コレクション展
「冬の日本画2022」「芸術家とモデルの関係」「大正時代の工芸」「詩人・河井寛次郎」「岸田劉生の友と敵」「劉生が生きた時代の西洋美術」
6つのカテゴリーに分けて展示されています。
「劉生が生きた時代の西洋美術」は、モンドリアン、エルンスト、藤田嗣治、ドローネーなどの作品が展示されています。
キャプションの制作年が「西暦」でなく「元号」で書かれているのが興味深い。
モンドリアンのコンポジションが「昭和4年制作」といわれると、日本人には具体的で身近な感じがします。
作品とは関係ないけど、コレクション展示室のある4階の大窓から見える冬の東山風景が美しかったです。
コレクション展
2022.1/20(火)~3/13(日)月休 9:30~17:00(入館16:30まで) 金・土は~20:00(入館は19:30まで)
一般430円、大学生130円、高校生・18才未満・65才以上無料。
初音鮨
数年前、日本がインバウンド観光の恩恵を受けていた時期はいつも満杯でした。
コロナ禍、よくないことですが、空いていて久しぶりに入ることができました。
わたしは冬に蒸し寿司をたべるためにここに来ます。
蒸し寿司は冬ならどのお寿司屋さんでもやっていますが、この店がいいのです。
昔ながらの住宅街のお寿司屋さんで、朝日放送ラジオがかかっているのがポイントです。
隅々まできれいに掃除してあってすがすがしく、必要以上に愛想よくしない大将と奥様もええ感じです。
岡崎に来たら、初音鮨です。
三条白川橋西入上ル 11:00~20:00 木休
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