六本木スタート、鎌倉駅で降りて神奈川県立美術館にゆくつもりでしたが、あまりに天気がよくて暖かいので予定変更。
ひと駅前の北鎌倉駅で降りました。
松岡山 東慶寺
東慶寺は北鎌倉駅下車、鎌倉に向かって徒歩5分ぐらいのところにある臨済宗円覚寺派のお寺です。
鎌倉時代に開創。
封建時代は、ここに駆け込めば女性から離縁できる男子禁制のお寺だったそうです。
だから「縁切寺」ともいうんですね。
東慶寺花だより
もちろん今は普通のお寺で、「花の寺」とよばれています。
入り口の案内板によると和辻哲郎、小林秀雄、野上弥生子、岩波茂雄…などなど哲学者や小説家などのお墓があるそうです。
モオツァルト・無常という事(新潮文庫)
山門の下で何やら工事しておられます。
境内は撮影禁止。
拝観料もありません。
お参りするところですもんね。
境内は作りこんでなくて、めっちゃくちゃ自然な冬の庭です。
すっぴんってかんじ。
人もいません。
白い苔?カビ?のついたボコボコの梅の木がたくさんあり、ちらほら花が咲いています。
地面には枯葉がたっぷり落ちています。
小さな雑草がたくさん生えています。
ドライフラワー状の花がたくさんぶら下がった低木があります。
とっくに花が咲き終わって次の時期を待っているあじさいの木が沢山あります。
鳥の鳴き声がきこえます。
風で葉や草がこすれる音が聞こえます。
山門の下で工事をしている音もかすかに。
静かです。
わたしが言うのはおこがましいけど、とても居心地のよい境内です。
お参りするのは堀川戎だけと決めているのに、居心地がよすぎて思わず本堂にお参りしてしまいました。
悪縁(あるかどうかわからないけど)が切れて、良縁は続きますように。
とムシのいいお願いをする。
大地の再生
宝物館で、このお寺が境内で「大地の再生」に取り組んでおられるという説明を読みました。
戦後お寺を整備するために山を削り、林を整備し、境内を舗装し、時間とお金と人手をかけて美しい境内を保っていたそうです。
が、台風のたび土砂崩れ、崖崩れ、倒木が起こり、木が枯れる…なんで?
その答えを造園技師の矢野智徳さんが教えてくださったそうです。
地表を舗装し、地中の水脈を分断してしまった代償である。
人間本位の整備によって大地の呼吸不全が限界に来ている。
そこで3年前から境内の「大地の再生」に取り組むことになったそうです。
ただいま東慶寺は境内の環境改善中とのこと。
だから落ち葉も雑草もそのままの自然なお庭なんですね。
山門下の工事も大地の再生の一環なのでしょうか。
いつまでかかるかわからない手間もお金もかかる活動。
けれど東慶寺だけでなく、ひいては地球のためになる活動。
大地の豊かさは確実に心の豊かさにつながりますもんね。
さすがお寺です。ありがたいです。
しばらく境内でぼんやり鳥の声をきいていましたが、帰る事にしました。
「寺沢勘太郎一家巡業の旅リターンズ」に行かねば。
北鎌倉駅の久里浜方面行きホーム向こうには、ほわほわやさしい冬の木々が見えます。
心洗われて横浜に向かったのでした。
コメント
コメント一覧 (2件)
リビさま
自然に囲まれ、大切にしている素敵なお寺ですね。こちらも自然体でいられるような心地よさが伝わってきます。
大地の再生、とても考えさせられました。
工事が終わって、呼吸不全から回復したところを見てみたいです。
リンゴとコトリさま
コメントありがとうございます。
気持ちのいいお寺でした。
こういう思いきった場所が増えるとどこも息を吹き返すでしょうねえ。
災害が減るのではないかと思ったりします…素人考えですかね。