京都市立芸術大学音楽学部 大学院音楽研究科 定期演奏会にはじめて行きました。
京都コンサートホールのある北山は、子どもの頃祖父母とよく遊びにきたなじみの場所です。大人になってからは久々で、雨上がりの草木の匂いが懐かしかった~。
第168回 京都市立芸術大学音楽学部 大学院音楽研究科 定期演奏会
自分ではチケットを買わないであろう演奏会。
昨年だったか、京都市立芸術大学が2023年の学舎移転費用不足とのことで、卒業生に寄付を募っていました。
京都市は財政破綻寸前らしい。
芸術大学に裕福な卒業生、たくさんはいないよな。
少額でも寄付した方がいいかな…と、お年玉かっていうぐらいの金額を寄付しました。
そしたら移転に関するニュースレターと定期演奏会のチケットを送ってくれました。
お返しはいらないのに。
こんなことしてたらマイナスになるのでは?と思いつつ、せっかくなのでありがたく行かせていただきました。
クラシックのコンサート…仕事後だし、夜だし、寝そう。
指者者は下野竜也先生。
楽団員は、各科成績優秀者のオーディションで合格した選りすぐりメンバーだそうです。
ソロトランペット奏者がおられましたが、さらなる選りすぐりですね。
パンフレットの解説は音楽学専攻の学生さんが書いておられます。
努力の成果が出た幸運な学生たちで成り立つ演奏会です。
京都コンサートホール
植物園のお隣、地下鉄北山駅3番出口から屋根のあるくら~い道(雨上がりの夕方だったからね)を通って視界が開けたところに現れます。
京都市立のクラシックコンサート専用ホール。
らせん状のスロープを歩いてホールに向かいますが、もちろんエレベーターもあります。
昼間だったらガラス張りのホワイエから植物園が見えるんだろうと思います。
今回は正面にパイプオルガンのある大ホールでのコンサートでした。
自由席なんだけど、どういうところで聞くと良いのか全然わからず、テキトーに座りました。
楽団の人々が音の調整をされます。うわ~、はじまるなあ~。
ロン・ネルソン:パッサカリア~BACHへのオマージュ(吹奏楽)
アメリカの作曲家ロン・ネルソンの1992年の曲。
不穏な暗い感じでドロドロドロ…ってはじまって、ドッカンドッカンな響きが続いて、最後はキツイ、いえ、力強い音が重なって終わります。(アホな表現)
うわ~!へぇ!と思っている間に終わる大迫力の曲でした。
最後列の打楽器群が10人ほどおられて、その活躍がとーってもおもしろい!
みなさん動きながら、ひとりで複数の楽器を演奏されます。
吹奏楽って、こんなに深くダイナミックなもんなんですね。
部活の「ブラスバンド」のイメージからはかなり遠いものでした。
下野先生が赴任されてから吹奏楽をはじめられたそうです。
サクソフォーンとユーフォニアムの専攻ができたこともあり、それらを取り入れた楽曲を演奏したかったからだそうです。
興味深い曲でした!
アルフレッド・デザンクロ:祈祷、呪詛と踊り
フランスの作曲家アルフレッド・デザンクロによるトランペット独奏とオーケストラのための曲(1953年)。
トランペット独奏は4回生の藤井虹太郎さん。
お若いのにあれやこれやの賞を受賞しておられる超優秀トランペット奏者だそうです。
今回も学内オーディションを勝ち抜いての独奏。
第一楽章「祈祷」は打楽器のパンって音ではじまります。
わたしの席から見ると、縦持ちの細長い板が2枚合わさって音が出ているように見えました。
実際はどんな楽器なのかよくわからないんですが。
そこに華やかなトランペットの音が入っていきます。
祈祷,呪詛と踊り, 1. Incantation
トランペットは基本終始華やかなんですが、第二楽章「呪詛」は優しい音。
呪詛なのに?翻訳で調べたらThrèneは「挽歌、哀悼歌」と出ました。
呪詛って…なんで?
祈祷,呪詛と踊り, 2. Threne
第三楽章「踊り」は華やかなトランペットとオーケストラが追っかけ合うようにはじまります。
その後はサスペンスな雰囲気のエキゾチックな音が続くんですが、打楽器がその雰囲気を盛り上げて、最後もドカンと打楽器で終わります。
祈祷,呪詛と踊り, 3. Danse
トランペットもさることながら打楽器ってすご~くおもしろい!
リヒャルト・シュトラウス:交響詩〈死と変容〉
生来病身だったドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウスが1888~9年につくった曲。
「死と浄化」といもいうそうです。
R.シュトラウス:死と変容/4つの最後の歌
交響詩ってそもそも何?と思ったらちゃんと解説されていました。
フランツ・リストによって創設されたジャンルで、「詩的な原体から出発し、印象及び感情の表現となっている音楽」だそうです。
なんのこっちゃ。
死の危機に直面したときにつくった曲だということで、穏やかったり死と戦って激しかったり緩急がはげしい曲でした。
死んで来世で変容したってことで終わるようですが、ご本人は長生きされています。
ロベルト・シューマン:交響曲第3番〈ライン〉変ホ長調 作品97
ドイツの作曲家ロベルト・シューマンが1850年に作曲。
「クラシック音楽」ときいたときに想像するドンピシャなイメージの曲です。
雄大で美しい風景、風、響き、ヨーロッパを流れるライン川。
しあわせだったときのシューマンの曲なんでしょう。
豊かです。
それにしても、木・金属・動物の体の一部(皮、毛)で作った楽器がこんなに美しく響くのは、ほんとうにすごい。
石油も電気も不要なんだもの。
もちろん今どき材料のどこかに石油製品が使われており、製造過程で電気を使っているはずですが、それらがなくてもできなくはない。
クラシック音楽、いいなあ。
美術も音楽も、芸術はずっと前からSDGsですね。
2時間半のコンサート終了後はすっかり夜で、帰り道の草木の匂いもしあわせでした。
コメント
コメント一覧 (2件)
リビさま
演奏会、ずっと開催が難しかったでしょうから、学生さんの日頃の成果が披露できてよかったですね🎶
吹奏楽って迫力ありますよね!
投稿からも伝わってきました😊
打楽器は、忙しく色々な楽器を演奏する姿に感心します✨
美術も音楽もSDGs!
SDGsな楽器の音は心地よいですね💕
リンゴとコトリさま
コメントありがとうございます。
友人によると、打楽器だけのコンサートもあるそうです。
生命の響きを感じるそうです。
学生さんのコンサート、要チェックです!