友人(80+α歳)のマンションを訪ねていくと、知らない方が出てこられました。部屋を間違えたかと思ったら、家事代行サービスの方でした。
家事代行サービス
大きなお屋敷の前によく家事代行サービスの軽自動車が停まっています。
こんなお屋敷に住む人が利用する贅沢なサービスだと思っていました。
周囲に利用している人もいないし。
…と思ったらなんと、身近な友人が利用していました。
数年前からお掃除をしてくださる方が来ておられるのは知っていました。
ちょうど友人が腰と膝を悪くした頃だったので、介護サービスでそういうのがあるのかと思っていたのですが、違いました。
友人が利用しているのは、クラッシーコンシェルジェ。
マンションの近くに事務所があります。
コロナ禍で消毒液が街から消えた時、仕事柄通常からたくさん在庫しておられるのですぐに持ってきてくださって助かったとのこと。
快適睡眠グッズ(枕など)も扱っておられるそうです。
幅広く生活を支えるサービスなんですね。
お掃除スタッフ
わたしが友人宅を訪ねる時間にはもう終わっているはずですが、スタッフの方の通勤電車遅延により時間がずれて、まだ作業中でした。
エプロンをして腰にハンディモップを差してテキパキ作業されます。
3ヶ月に1度同じスタッフの方に、自分ではできないタイプのお掃除をお願いするそうです。
今回はベランダに出ているすだれの片づけを中心とするお掃除。
高いところから吊るされているすだれをはずして、来年も使えるよう手入れして収納までしてくださいます。
植物のお手入れをたのむと、植物専門スタッフが来られるそうです。
単なるお掃除スタッフではない
わたしが友人に頼まれて毎月1つだけ作っている「月刊 缶バッジ」。
季節の洋服につけて楽しんでくれています。
今月は「虫の柄で」とのリクエストにお答えして鈴虫柄を作りました。
「鈴虫単独」にするか「葉の上の鈴虫」にするか迷ってふたつ作っていきました。
友人はお掃除スタッフの方に「どちらがいいと思う?」と相談。
「葉がある方がいいと思います」
「わたしもそう思っていたのよ」と友人。
量産(といっても1柄につき10個ほど)用の新柄は煮干し柄。
お掃除スタッフの方は缶バッジ収集家だそうで、友人と煮干し柄について「このお腹のところの赤文字がいいね」などと意見交換。
お掃除をきちんとしてくださることは基本として、スタッフの方と趣味が合うことや、ほどよくプライベートをわかってくださることがとても大切なんだそうです。
そのため毎回スタッフがかわるプランもあるけれど、信頼できる方にきていただくプランにしているとのこと。
例えば家族が亡くなった時、いろいろなことを兄弟や親戚に手伝ってもらうのが一般的です。
ふだん遠くに離れているため急に手伝ってもらっても結局自分が中心になって動くことになるし、気も遣う。
甥や姪には「遠いところ悪かったねえ、これで何かおいしいものでも食べて」なんてお小遣いを渡したりもしなければならない。
その点ふだんから来てもらっている家事代行サービススタッフの方なら家のどこに何があるかわかっておられるので簡単な指示でテキパキ動いてくださる上、ビジネスの関係なので気を遣わなくてもいい。
歳をとると「遠くの親戚より近くの家事代行サービス」。
それが心身ともに楽なんだそうです。
なるほどです!
「70代は階段からつきおとされるように衰える。けど、階段ならはいあがることができるのよ。80代は崖からつきおとされる感じ。もうはいあがれないのよ」
と友人は言います。
歳とるほど心身ともに健やかでいることの大切さが増すということです。
1人暮らしの高齢者にとっての家事代行サービスは、家事のお手伝いを通して思いがけなく深いところから支えてくれるサービスなんですね。
贅沢だと思っていたけれど、認識不足でした。
いわゆる贅沢とはぜんぜん違うことがわかったのでありました。
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