初めて「大阪城北詰」という駅で降りました。駅のある地下からあがるとすぐ藤田美術館です。わかりやすい。
藤田美術館
藤田美術館は明治時代の実業家 藤田傳三郎さんと息子さんの東洋美術コレクションを公開している美術館。
国宝や重要文化財をたくさん所蔵。
昨年リニューアルオープンしました。
藤田さんは美術品が好きなだけでなく、明治維新直後の廃仏毀釈によって日本の美術品が海外に流出してゆくのを防ぐ意図もあって蒐集しておられたそうです。
朝日新聞の創立者村山龍平さんも同じく流出を防ぐために東洋美術を蒐集していたと聞きます。(村山さんのコレクションは香雪美術館で公開しています)
昔の実業家ってかっこいい。
JR東西線の大阪城北詰駅3番出口から出たらすぐ左に美術館があります。
ちなみに出口の真正面(道の向こう)にはコーナン片町店がありました。
通り沿い二方向はガラス張りで解放感抜群です。
入口を入ってすぐのオープンキッチンスタイルカフェ「あみじま茶屋」にはお客さんがぎっしり。
カフェ周辺にはお団子を焼く香ばしいにおいが漂っていました。
全員がお盆に抹茶茶碗とお団子がのったセットを食べておられました。
お盆、茶碗、さすがにぜんぶおしゃれです。(お皿はよく見えなかった)
チケット売り場はなく、展示室(蔵)の入り口でスタッフの方が「キャッシュレスにご協力ください」と集金されます。
先入観なく作品に接してほしいとのことで、展示解説がありません。
どうしても解説が欲しければ藤田美術館のWi-Fiにつないでスマホできけるそうです。
「装」「旅」「禅」というテーマに分けて展示されている作品数は少な目で、順路もなく、広くてとても自由です。
展示ケースには映り込みの少ないガラスが使われており、作品がストレスなくきれいに見えます。
これはすごく大事!ありがたい。
能装束、山水画、古代裂帖、印籠…どれも手間がかかっていて美しい。
こんなの初めて見た~おもしろい布コラージュ状態の作品がありました。
本紙にシワがいっぱいはいってボロボロにみえる掛け軸は、修復してこの状態なんでしょうか。
明から過酷な船旅で持って帰ってきた状態そのままなのかな…
そんなわけないか。
巻物(国宝 玄奘三蔵絵)はとってもきれいで見やすかった。
絹や紙にかかれた絵は傷みやすいから保存が大変だろうなぁ。
陶器や漆製品は比較的安心の美しさです。
天目茶碗が3点ありました。
そのうちのひとつは国宝の曜変天目茶碗。
天目茶碗はあまり好きじゃないんですが、これはさすがにめちゃくちゃきれいでした。
茶碗の内側が宇宙。
何で光がこんな色に見えるのか、なんでこんな星みたいな模様ができるのか。
焼いている途中の化学変化でこうなるんですよね…すごいなあ。
曜変天目は世界に3つしかなくて、3つとも日本にあって、そのうちの一つが藤田美術館所蔵のこの茶碗だそうです。
へええ~。
天目茶碗を置くための天目台もありました。
貝殻がきらきらといろんな色に光る豪華螺鈿を施された黒漆の台。
この美しい貝殻も不思議です。
何百年経ってもキラキラのままなんだもの。
何百年も生きる貝がいるらしいけれど、そんな生き物だけに貝殻のきらきらは永遠なんだろうか。
美術工芸品は自然の不思議で成り立っていると改めて思いしらされた展覧会でした。
藤田美術館
入館料:1000円(19才以下無料)
開館時間:10:00~16:00
休館日:12/29~1/5
問合せ:06-6351-0582
藤田邸跡公園
美術館はみごとなお庭の中にあるので、外に出るときもちいい緑がいっぱい!
小野竹喬の絵みたいなかわいい竹とか、実がいっぱいなってる梅とか、小さいサクランボのなってる桜とか…。
そのへんじゅうに咲いているシロツメクサは小ぶりでかわいい。
池ではからすが行水をしている。
きもちよく散歩していると曇り空がだんだん晴れてきました。
春夏秋冬全部体験してみたい広大なお庭です。
藤田邸跡公園
入園無料
開園時間:10:00~16:00
ザ・ガーデンオリエンタル・大阪
お庭の中にレトロな建物が。
「旧大阪市公邸」と表示されていました。
現在は結婚式場として使われています。
筆記体ロゴがかわいい!
都会のオアシス藤田邸跡公園でした。
コメント
コメント一覧 (2件)
リビさま
藤田美術館、気になっていたんです!
存在を知らなかったのですが、先日テレビで観てから
行ってみたいと思っていた美術館です。
先日、「ぶらぶら美術・博物館」のこの回で見たような。。違ったかな。
https://www.bs4.jp/burabi/articles/2cxcrad0uhbgv40p.html
「曜変天目茶碗」を見てみたいんです。
当たり前ですが
【ピカソとその時代展】に行った時に、
実物のすごさを感じたので、ぜひ見てみたいと思いました。(ほんと当たり前ですみません)
以前、駅で天目茶碗がバーンと載っているポスターを見たことがあって
興味を持ったのですが、結局その時はアクションを起こさずでした。
もしかすると、あれはリニューアルした時の藤田美術館のポスターだったのかもしれません。
こんなに近くに、こんな美術館があるなんて
お庭も素敵ですし、行かないのはもったいないですね✨
リンゴとコトリさま
コメントありがとうございます。
ぶらぶら美術・博物館では中之島の東洋陶磁美術館所蔵品展を紹介しておられたんですね。
只今リニューアル工事中ですが、安宅コレクションの木の葉天目とか油滴天目もあるすてき美術館!
リニューアルオープンが楽しみです。
関西で曜変天目を気前よく見せてくれるのは藤田美術館だけだと思います。
ぜひぜひ見に行ってください。
化学変化、不思議です。