「今年の我が家のカレンダーはぐりとぐらです」と画像を送っていただきました。
そのかわいさに触発されて、長いこと本棚にいれっぱなしだった「ぐりとぐら」を開きました。
1967ねん しょはんの ろんぐせらーえほん
中川李枝子さん文、大村百合子さん絵、福音館書店からでている絵本「ぐりとぐら」。
この世で一番好きなのはお料理することと食べることだと自己紹介しているふたごの野ねずみが主人公です。
うちにある絵本は1997年5月5日109刷。
今年だったら何刷ぐらいになっているんだろう。
表紙は黄ばんで、背表紙の赤文字「ぐら」が消えかかっています。
ところで野ねずみってどんなネズミなんだろう…と検索してみると、茶色のふつうのねずみでした。
ぐりとぐらはだいぶデフォルメされて独特のかわいさになっています。
こまかいことは すっかり わすれていました
全く時間にも心にも余裕がなかった時代に、子どもに読むために買った絵本です。
だいぶ事務的に読んでいたんだろうと思います。
「カステラがおいしそう」なことしか覚えていませんでしたが、ひさびさに開くと見どころが色々ある絵本でした。
どちらが「ぐり」でどちらが「ぐら」、どちらが兄でどちらが弟なのでしょう。
表紙から見るとぐりが青い帽子とズボンの方、ぐらが赤い帽子とズボンの方だと思われます。
漫才師の「吉田たち」と同じなら青い方(ぐり)が兄で赤い方(ぐら)が弟です。
吉田たちは、青いネクタイをしたゆうへいが兄で、赤いネクタイをしたこうへいが弟だから。
「ぐりとぐら」の初版は「吉田たち」のふたりが生まれる20年前だし、「吉田たち」と「ぐりとぐら」に関係があるわけないですね。
うちにある「ぐりとぐら」シリーズの3冊を読んだだけではどちらが兄でどちらが弟かはわかりませんでした。
おはなしの ないよう(ねたばれあり)
木の実拾いに森に来たぐりとぐらがとても大きな卵を見つけ、それでカステラを焼くことにします。
卵が大きすぎて持って帰ることができないので、家から道具や材料を持ってきてその場で料理をします。
いいにおいに誘われて森の動物たちが集まってきます。
黄色くふんわりとしたカステラを、「けちじゃない」ぐりとぐらはみんなにごちそうします。
みんなでおいしく食べた後、残った卵の殻で自動車を作り、荷物を積んでぐりの運転で帰っていきます。
たわいもない平和な話です。
内容的にはわたしが覚えていた「カステラがおいしそう」というのが殆どかもしれません。
とうじょうする どうぶつ
カステラを焼くにおいに誘われて集まってきた動物の中に、見たことのある子がふたり(二匹)いました。
「いやいやえん」に出てきた赤いバケツを持った小ぐまの「こぐ」と、おおかみです。
懐かしい!
「いやいやえん」は時間も心の余裕もたっぷりあった子ども時代に読んだ本なので、大昔とはいえキャラクターぐらいは覚えていました。
この二人(二匹)をみつけたことで一気に楽しくなりました。
「いやいやえん」の作者は「ぐりとぐら」と同じ中川李枝子さんと大村百合子さんです。
もしかしたら、他の動物もお二人の別の作品からやって来ているかもしれません。
そういう小ネタを探すのも、絵のついた本(絵本とかマンガなど)の楽しみ方のひとつかもしれません。
え や もじ のこと
絵はわざとなのかどうなのか、素人っぽく描いてあります。
継ぎたし継ぎたしの線の引き方やデッサンの狂い方で、うまく味を出しておらるなぁと思います。
扉紙なんか超すてきです。
ぐりとぐらの後ろ姿、タイトル、作者が黒線だけでものすごくつたなく描いてあります。
「福音館書店」というゴシック体できゅっと全体が締まっていて、これがいいのか悪いのかわからないぐらいです。
普通なら「いい」んだろうけど、ないほうがいいんじゃないかってぐらいの完成度をもったつたなさです。
本文の書体も昔の写植感が漂ってええ感じです。
ひらがなとアラビア数字しか使っていないのもすてきです。(子ども向きだから当たり前か)
「バター」や「クリーム」が「ばたー」「くりーむ」とかいてあると、「こども界だけのおいしさ」という感じがします。
大人になったので、残念ながらもう決して味わえないおいしさです。
しりーず の べつの ほん
「ぐりとぐらの1ねんかん」は1年間の様子が描かれたきれいな本です。
「ぐりとぐらとくるりくら」はつっこみどころ満載です。
「くるりくら」という名前のとんでもないプロポーションのうさぎが登場します。
おもしろい!ぐりとぐら。
カレンダーの画像を送ってくださって、ほんとうにありがとうございました!!
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