キース・ヘリング展をみました。思ってたのと違いました。

Keith Haring展
左:スウォッチ 右の3点:モントルー1983

「アートをストリートへ」という副題がついているとおり、アートをみんなのもとに届けた作家。

目次

キース・ヘリング

1980年代アメリカストリートアートの第一人者。
ニューヨーク地下鉄構内の使っていない広告掲示板に黒い紙を貼り、チョークで落書き。
シンプルでリズミカルでシニカルでユーモラス。
当時日本では先端のイラストレーター(アーティスト)って感じで大人気でした。
落書きと芸術の境界線をなくすキッカケを作った作家。
その後の大衆的なイラスト(商業的、ストリート的)の世界に与えた影響も大きいと思います。

1960年代のアンディ・ウォーホルのインパクトは1980年代のキース・ヘリングみたいな感じだったのかなぁと想像します…知らんけど
10年ほど大活躍された後、エイズの合併症で31歳で亡くなりました。
当時先端のアーティストはドラッグかエイズで亡くなりがちだったのでこのニュースを聞いた時に「らしい亡くなり方」だと思いました。
不謹慎!ごめんなさい。

キース・ヘリング展 アートをストリートへ

冬は東京の森アーツセンターで、春は兵庫県立美術館で開催。
次に巡回する福岡市美術館に行きたくて夏まで待っておりました。

朝から酷暑の大濠公園へ。

大濠公園

池べりの柳越しに揺れている白鳥ボートは涼し気に見えます。

展覧会はありがたいことに空いていて、ゆったり見ることができました。
そんな中、奇抜なファッションの中国人ギャルたちが絵の前で順番に各種ポーズをとって写真撮影。
せっかくすいてるのに、めちゃくちゃ邪魔でした。
あちらにしたらわたしが邪魔だったと思うけどね。

作品によっては背景に録音したニューヨークの街の音が流れていたり、音楽が流れていたりします。
やっぱり地下鉄の駅から剥がしてきたチョークのらくがきが一番よかった。
違法行為だけあって大急ぎで描いている渾身のイラスト。
駅で見たらもっとよかったんだろうけど、それは不可能。

ゲリラ的な落書きからだんだん商業的な作品になってゆき、公共機関のポスターや子ども向きなどお利口な作品が増えて行きます。
ゆずみたい。

Keith Haring展
ラッキーストライク 当時おしゃれパッケージの代表でしたよ。
Keith Haring展
レトロスペクト
Keith Haring展
レコードジャケットいろいろ
Keith Haring展
公共ポスターいろいろ

A Very Special Christmas [Analog]

キース・ヘリングはアンディ・ウォーホルとミッキー・マウスが好きだったんだそうです。
アメリカっぽい!そして彼の作品はいかにもそういうのが好きそうです。

2人をかけあわせてお金がザクザクって言うのもわかりやすいなあ。

Keith Haring展
アンディ・マウス アンディ・ウォーホル×ミッキー・マウス
Keith Haring展
ブループリントドローイング(一部)
Keith Haring展
赤と青の物語(一部)
Keith Haring展
無題(踊る3人のフィギュア)

キュビスムっぽいのとかフランク・ステラみたいな作品もありました。
夢はMoMAに収蔵されることだったそうです。

こんな作品があることをしらなかったし、そんな一般的な夢を持っておられたことは意外でした。
グラフィティアーティストだからやんちゃでぶっとんだ人だろうと思っていました。
美術学校で普通に勉強し、従来どおり美術館や画廊での作品展開を考えていたということも今回初めて知りました。
元恋人がエイズで亡くなったという知らせを聞いて動揺し、その後の作品にかなりの影響が出たというエピソードもちょっと意外。
一般人なら当然のエピソードですが、キース・ヘリングだから…。
絵の魅力でぐぐっと引き付けられるけど、広告などのアイデアはごく一般的で、おお~!ってなるようなものがないことも意外。
だから親しみやすくてわかりやすいのですが。

この展覧会をみて一番印象的だったのはキース・ヘリングがまじめな普通の人だったということ。
そして自分と同じ時期に同じように制作していた人の筆遣いや色の使い方には、天と地ほど才能の差があっても「わかる!」って共感があるということでした。

1980年代に大ブームだったキース・ヘリングは、思ってたのと違って普通の画家でした。
すごい人であることにかわりはありませんが。
京都芸大引っ越し写真展、祇園会館のライブに続いて懐かし楽しい体験でした!

キース・ヘリング展 アートをストリートへ
会場 福岡市美術館
会期 2024年7月13日(土)〜9月8日(日)
料金 一般:1800円 高大生:1200円 小中生:800円

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