中崎町にいったついでに思いつきで大阪市立住まいのミュージアム(愛称:大阪くらしの今昔館)にゆきました。ひさしぶりに原寸大街並み展示が見たかったのです。
大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)
大阪メトロ・阪急の天六駅改札を出て住まい情報センタービルに入り、8階にあがると大阪くらしの今昔館があります。
面白そうな企画展があると見に行っていたのですが、今回は何年ぶりかわからないぐらい久々に、常設展示が見たくて訪ねました。
8階にゆくと、昭和の和食ファミリーレストラン風制服姿の職員の方が素早く来てくださり、「只今天井の工事で9,10階は閉鎖中ですが、よろしいですか?」とおっしゃいました。
ということは、目的の原寸大むかしの街並みは見られないってことです。
どうしようかと思ったけれど、ここまであがってきたし…まあいいか。
特別展もやってるし。
この博物館は天六らしいカジュアルな博物館で、展示が雑です。
展示だけでなくあらゆるところが雑で、近所の昔ながらの公民館みたいなところです。
(展示物やしかけにはお金がかかっています)
ここが中之島なんかだったらがっかりだけど、天神橋筋商店街の中だからまっ、いいか。です。
今日はひさびさでしたが、雑さは相変わらずでした。
商都大坂の豪商・加島屋 あきない町屋くらし
只今開催中の特別展、商都大坂の豪商・加島屋 あきない町屋くらし。
大同生命保険株式会社のルーツ、加島屋・廣岡家の住まいや暮らしの紹介です。
NHKの朝ドラ「あさが来た」のモデルになっていたお宅ですね。
まず江戸時代の証券など商売関係の書類、印鑑、家屋の見取り図など、わかったら面白いんだろうなという展示が続きます。
実際それらの前から全く動かず、展示物と会話しながら見ておられる高齢者がおられました。
普通の声量で。
家宝(美術品)の展示もあります。
寿老人や布袋、ウズラやセキレイを描いた掛け軸や仏像など。
これらはいいんだかどうだか、わたしにはよくわからず…。
ご商売の縁起ものってことなんだろうなぁと理解する。
立派なひな人形、五月人形やお茶道具。
近代になるとオリジナルの洋食器や電気スタンドなどモダンな生活を楽しんでおられた様子がうかがえます。
同志社大学、大丸心斎橋店、四条大橋西詰・東華菜館などの設計でおなじみヴォーリズが設計した神戸のお屋敷(めちゃくちゃおしゃれ)の写真などもありました。
面白かったのですが、数年前に大同生命本社ビルで同じような展示をしており、そちらの方が見やすくわかりやすかったのでした。
お膝元に軍配が上がるのは仕方ないですね。
2022.7.15(金)~2022.9.26(月)
常設展 明治・大正・昭和の大阪 モダン大阪パノラマ遊覧
開いている8階展示室を観覧。
床の真ん中が大きな大阪の地図柄になっています。
ガラスケースの中に、精巧な模型で大阪の街が再現されているのが興味深い。
上品な大阪弁の女性が戦前の空堀での生活、戦後の城北バス住宅での生活、昭和30年代古市中団地での生活を語っている声が響いています。
わたしが展示室に入ったときには、ガラスケースの中に空堀通り商店街と長屋、バス住宅全貌、団地全貌の模型が展示されていたのですが、女性の語りに合わせて模型が生活の細部フォーカスに入れ替わります。
空堀の散髪屋さん、バス住宅の生活ぶり、団地の中。
子どもの頃、古い「暮らしの手帖」の記事で見たような生活。
団地の暮らしは、当選した団地に親戚が遊びに来て、最新の設備をうらやましがっているという設定の語りでした。
流し台はステンレス製で、洗濯機はベランダに置いていると言ってました。
なんと、上品な大阪弁の女性は八千草薫さんだそうです。
壁面のからくり錦絵という紙芝居も楽しい。
落語家さんのような方の語りにあわせて、な~んにもない風景の上にだんだん開発された風景の絵が重なっていきます。
厚みのない立体紙芝居。
天神祭の風景、心斎橋筋の風景、新世界(むかしの)の風景など模型で楽しく展示されています。
お金もかかっているし面白いのですが、大阪市立歴史博物館の方が深堀りされているし、展示物もだいぶ充実しています。
昔のパッケージが少しだけ展示されていますが、これに関しては大阪中之島美術館のコレクションの方が質が良く、展示が丁寧でわかりやすい。
昔の家電も少し展示されていましたが、門真のパナソニックミュージアムの方がだいぶ充実していてわかりやすい。
くらしの今昔館、ライバルが多いなぁ。
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 火曜日 年末年始12.29~1.2
入館料 一般 400円、高・大生 300円、中学生以下・65歳以上・障がい者と介護者1名 無料
大阪市立住まい情報センター
大阪くらしの今昔館は、住まいに関する相談など、住宅関連情報の市民サービス機関大阪市立住まい情報センターのビルに入っています。
ってことは、大阪市立住まい情報センターのサービスの一部ということなんだろうか。
だとしたらかなり豪華です。
展示を見る度に「これはひどい」と思っていましたが、そんな博物館は今どき珍しいし、情報センターのサービス部分ならしかたないな、と考え直しました。
天井の工事が終わったらまた行こうと思います。
その前に歴史博物館に行こうっと…いや、あとで行った方がいいかな。
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