ドイツのビッグアーティスト(アホな言い方…)、ゲルハルト・リヒターの展覧会を心斎橋ルイ・ヴィトンのギャラリーで見てきました。
エスパス ルイ・ヴィトン 大阪
Osaka Metro心斎橋駅から御堂筋を南へ徒歩5分ほど、ルイ・ヴィトンのビル5階。
正面入り口ではなく、横の入り口からエレベーターであがります。
エレベーター内の鏡に映る自分はアナグリフ画像っぽく見えます。
3D眼鏡をかけると本来の立体の自分が見えるのでしょうか。
ギャラリーは天井が高くて広い立派なギャラリーで、リヒターの抽象作品が18点も展示されていました。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンのコレクションだそうです。
無料で見られます。
写真も自由に撮っていいし、ぐっと入ってキャンバスの側面を見ても注意されません。
ルイ・ヴィトン、太っ腹です。
ゲルハルト・リヒター
1932年東ドイツに生まれ、ごくアカデミックな美術教育を受けられたそうです。
1961年ベルリンの壁ができる直前に西ドイツに移住し、政治体制の違う国でも美術教育を受け、独自の作品制作をされます。
アカデミックな教育のおかげで写真をそのまんま描きうつすような技術と根気がある。
だから具象でも抽象でも平面でも立体でも、どんな表現でも躊躇なくトライできるんですね。
岩岡先生の個展を拝見したときも思ったのですが、地味な基礎練習はしておいたほうが表現の幅が広がりそうです。
(基礎がないなりの広げ方もあるんだろうけど…)
行ったり来たり、壊したり作ったり、常にトライしているかっこいい作家です…なんてわたしが言うのもかなりおこがましいけれど。
初披露作品
Abstractes Bild 940-4 、Abstractes Bild 940-7
は初披露作品だそうです。
リヒターと言えば…なスキージーでこすったような質感、描いたり削ったり塗ったり消したり、複雑で色鮮やかな作品です。
Strip(ストライプ)
絵具で描いた過去の抽象作品から色を抽出し、マルチストライプに再構成したデジタル作品。
国立国際美術館の収蔵品をちょくちょく目にしますが、ここにもありました。
間近でしばらく見ていると回るコマの中に入ったみたい。
目がまわりそう、酔いそう。
Lilak(ライラック)
これからの季節にぴったりなタイトルですが、そのとおり春らしい印象です。
大きいこともあって自然の中の奥行き、空気が動くスピードを感じます。
2枚の大きな絵がつないであるのですが、2枚でひとつになった部分と1枚ずつで完結している部分があるため、奥行きやスピード感がブチっと切れて「大自然、気持ちいい~」とストレートには思わせてくれないところがニクい。
Möhre(ニンジン)
水の中のイメージだと思ったら、「ニンジン」ってタイトルでした。
まんなかの黄色い線がニンジン?
なにそれ。
29 April ´05
写真の上に絵具を塗った作品。
写真の一部は見えているのでイライラします。
これは絵なのか写真なのか、どっちでもいいんだけど、どこをとってもイライラするところがひっかかって印象に残る作品です。
森の写真に黒いラッカーをかけたものもあってもっとイライラします。
いってよかった~
難しい絵画表現のコンセプトについては???ですが、リヒターの作品はたまたま画廊で見たり、美術館で見たり、目に触れる機会が多いので身近に感じます。
そしてがっしりとした強さが心地よい。
街なかで、こんなにかっこいい作品を気軽に見ることができるありがたさ!
観覧者はずっとわたしだけで、遮るものなく見ることができました。
ルイ・ヴィトンでお金を使ったことは一度もないし、たぶんこれからもないと思いますが、印象が抜群によくなりました。
ありがとうルイ・ヴィトン!
次の展覧会(内容は未定)は秋からだそうです。
アブストラクト(Abstrakt)
場所:エスパス ルイ・ヴィトン 大阪
会期:2021年11月19日(金)〜2022年5月15日(日)
開館時間:12:00~20:00
休館日:ルイ・ヴィトンメゾン大阪御堂筋に準ずる
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