たのしみにしていたアンリ・マティスの展覧会にゆきました。あまりにも充実です。
アンリ・マティス
20世紀美術の巨匠アンリ・マティス。
フランスの野獣派の代表的画家です。
大胆な色使いが大きな特徴で、説明には「色彩の魔術師」とかってよく書いてあります。
色だけじゃなくて線も形も構図もぜんぶ魔術師なんじゃないの。
マティス展
修業時代の絵からはじまって絵画、彫刻、デッサン、切り絵、カトリック教会の内装まで幅広く展示されています。
見応え抜群。
国立国際美術館のベルクグリューン美術館展で何点かの作品を見て「いいなあ!!」と思ったんだけど、
さらなる充実ぶりでした。
館内が混雑していて、特に初期の作品は見えないのでスルーして先に進む。
とにかく絵画がとてもすてきです。
第一次世界大戦中に窓辺を描いた絵がどれも良くて、絵の前から離れがたかった。
とくに感動的だった窓の絵3点。
もちろん撮影は禁止です。
スマホで撮影したところで…だということが図録を見るとわかります。
プロが撮影した写真が載っていますが、実物の絵とはまったくの別物でした。
「コリウールのフランス窓」1914年
窓から見える海の景色を黒で塗りつぶしてある絵です。
幅の違う縦長方形が並ぶ抽象画のような絵ですが、確かに窓。
黒の面積が大きくて、それ以外の濁った色が美しい寂しげな絵です。
1905年にマティスらしい鮮やかな色づかいで描かれた「コリウールの開かれた窓」という絵があります。(展示されていません)
同じ窓が描かれている(と思う)のですが、海の景色が超華やかで雰囲気は正反対です。
1914年といえば戦争が始まった年。
マティスは志願したものの従軍できなかったそうです。
そういうことも関係あるのかなぁ。
「窓辺のヴァイオリン奏者」1918年
窓にむかって半透明(に見える)のマティスがヴァイオリンを弾いている絵。
幽霊みたいな人間の形がぎこちなくて、異次元なのかと思う。
戦争の影響なのかどうなのか寂しい絵。
「金魚鉢のある室内」1914年
ほしいなー。こんな素敵な絵。
一見シンプルなんだけど複雑で、色の置き方が完璧すぎる。
彫刻もよかった!
じっくりみたことなかったけれどこんなに良いとは。
作品が作品内に収まらず外に飛び出ているような迫力があります。
そして色あざやかな切り紙絵。
マティスの切り紙絵が大好きです。
絵画よりいいんじゃない?と思っていました。
晩年のこの切り紙絵に、デッサンも立体も絵も何もかも全部盛り込まれているような。
しかし今回は圧倒的に絵画、そしてデッサンがいいと思いました。
近年美術作品に関して、若い頃と好みが変わったと思うことが増えてきました。
同じものを同じ人が見ているはずなのに。
若い頃のわたしと今のわたしは違う人なんですねー。
来年マティスの切り紙絵中心の展覧会があります。
どう感じるんだろう。
見に行こう。
マティス展 東京都美術館
会期:2023年4月27日(木)~8月20日(日)
時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)、金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
休室:月曜日、7月18日(火) 7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開室
料金:一般 2,200円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 65歳以上 1,500円
日時指定予約制
コメント
コメント一覧 (2件)
リビさま
マティス展が素晴らしかったことが、すごく伝わってきました✨
ご紹介されている絵を検索してみましたが、やっぱり実物を見てみたいです!
ベルクグリューン美術館展の図録を購入したのですが、写真を見ても実物とは全然違って見えるなぁと感じ、図録は自分の記憶の中の絵を思い出すためのものなのかも知れないと思いました。
リビさまのおかげで、色々な感覚を経験させていただいています🎶
いつもありがとうございます🙇
リンゴとコトリさま
コメントありがとうございます。
マティスはほんとにとてもよかったです!
混んでいたので見ませんでしたが、出口付近のショップに売っている
グッズのデザインもとてもいいそうです。
行かれる機会がありましたらお見逃しなくです!