美濃先生の書作展。書道の知識ほぼゼロなのでめちゃくちゃおもしろかった!
美濃幸鶴先生
美濃先生は大阪府立港南造形高校の校長を退職されて、ただいま大学の先生をされています。
わたしの中では「校長先生」と認識していましたが、作品を拝見して「書道家」と認識しました。
美術専門の港南造形高校で生徒が素材研究をしながら制作する姿を見て、書道も紙と墨だけじゃない!と刺激を受けられたそうです。
その結果、木に彫った文字、針金を曲げて描いた文字、パステルで描いた文字…画材(っていうのかな?)も支持体もバラエティに富んだ作品となっています。
好奇心旺盛でのびのびいきいきな先生です。
美濃幸鶴書作展―SOUND―
ストレートに「音」や「響」という文字もありますが、音を聞いてそのときイメージしたことを文字に表した作品もあります。
大徳寺の床を踏んだ時のきしむ音からイメージした「水」や「山」
小学生でも読める漢字なので何て書いていあるかはすぐわかりますが、漢字を知らない人が見たら絵に見えそう。
漢字の昔の姿(象形文字など)はほぼ絵です。
だと考えたら、書で描かれる文字は昔と今の間をいったりきたりしてるんですね。
なんておもしろいの!
「音」という文字もその形、墨色の滲み、紙の色などなどの要素でリズミカルな軽い音をイメージしたりずっしり重い音をイメージしたりできます。
実際音が聞こえそうです。
これらは文字なのか絵なのか音楽なのか。
たぶんぜんぶなんでしょう。
書道ってまるまる自然そのものなんですね。
物理的にも墨(にかわとスス)、紙(木の繊維)という自然の材料をメインで使うしな。
シンプル
書は基本が紙の白と墨の黒というシンプルな作品です。
なのでできるだけ作品以外のものが邪魔にならないよう気をつけるそうです。
室内に置く植物はカラフルな花を避け、色を感じないものにする。
掛け軸も書以外の部分が極力目立たぬように、掛緒の部品も端に寄せておくんだそうです。
掛け軸を見る時にそんなこと気にしたことなかったけど、気をつけて展示しておられるから気にならないんですね。
生活様式にあわせる
畳の上で巻物を見ていた時代から額装した書を壁に掛ける現代まで、書の形も時代にあわせてかわってきたそうです。
最近主流のマンションの壁紙には、柄のはいった和額がぜんぜん似合いません。
和額/扁額(へんがく) 佛心 (吉村 清雲)
これからはマンションの壁紙に違和感のない洋風の額にも合う書にしていかなければとおっしゃっていました。
日常的に鑑賞するためにはそうなりますよね。
こんな現実的な話もおもしろい、書道に注目しなければ。
画廊から出たら観光客だらけの戎橋商店街。
現実の世界~~~。
コメント
コメント一覧 (2件)
リビさま
何も考えずに、山Dの画像を見たとき
大きなリュックを背負った人が登山の途中で腰を降ろして休んでいるように見えました。
山で繋がったのが何だか嬉しかったです🎶
頭の中が凝り固まりやすいタチなのですが、アートに触れると自由でいいんだなぁと、思える瞬間が心地よいです😊
リンゴとコトリさま
コメントありがとうございます。
リュックを背負う人まで見えるとは、やわらかいアタマ(心?)です。
ともにアートに親しみましょう!