前回の展覧会は大混雑だった大阪中之島美術館、野次馬の観覧者が減ったのか、今回の展覧会はゆったり見ることができます。モディリアーニはクセがすごくてひっかかりはあるものの、別に…な作家でしたが…。
アメデオ・モディリアーニ
イタリア出身のエコール・ド・パリ(1920年代、特定の流派なく活動していた国籍も画風も色々な作家たち)の作家。
裕福な家に生まれたけれど、作家を目指して出たパリでは貧乏で酒と麻薬におぼれ、35歳没。
エコールド・パリの作家は生前恵まれないとか、戦争に翻弄されるとか…暗く切ないという勝手なイメージもあって、目をそらしていました。
けれど最近いろいろな展覧会でちらちらとエコール・ド・パリの作品を見て「意外といいじゃないか」と思うので、行ってみました。
行ってよかった。
35歳で亡くなっているけれど、70歳まで生きたぐらいの濃厚人生だったんじゃないかと思います。
とても若者の絵とは思えない。
人物画は目が塗りつぶされたものが多いのですが、瞳がないのに目が合います。
しゃべりながら描いていそうな絵もあって、展示室の出口にたどり着いた時点ではモディリアーニに持っていた暗いイメージが消えていました。
ということで、想像上の印象がかなりかわりました。
想像ではなく事実としては、描かれている全ての形がおもしろかった。
彫刻をしていたからよけいに?
立体作品と平面作品両方作るって、いいことだらけですね。
モディリアーニ以外の作品多数
見応えある関連作品が多数展示されていました。
同じエコールドパリの作家(藤田嗣治、パスキン、キスリング等々)、影響を与えた彫刻家ブランクーシ、同郷イタリアの未来派作家、アフリカのフォークアートであるマスクなどなど。
藤田嗣治も中年になって「やっぱりいいなあ」と思うようになった作家です。
どの絵も白と繊細なスミ線が美しいけれど、全身ぶつけたような迫力があります。
そして実際どうなのかわかりませんが、ナルシストっぽい?気持ち悪さが漂っている。
藤田嗣治といえば終戦後、戦争画を描いたことを糾弾されて日本を追われました。
悲惨な力に満ちていて戦争礼賛には見えない絵なのに。(個人的な感想)
今回戦争画が展示されてるわけじゃないので関係ない話ですが、藤田嗣治の自画像と目が合うたびにこのことを思い出して切なくなります。
狭量な日本人!
とりかえしがつかないことを考えても仕方ないですね。
今回も未来派の作品、傘でつかれて穴の開いたボッチョーニ「街路の力」が出ていました。
いいなあ、これ。
モディリアーニ展は、「エコール・ド・パリもおもしろいでしょ」と教えてくれる展覧会でした。
会期 2022年4月9日(土)~7月18日(月・祝) 月休(5/2、7/18除く)
時間 10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料 一般 1800円、大・高生 1500円、小中学生 500円
HAY
デンマークのインテリアショップ。
前回美術館に来た時には関係者の内覧会をしていましたが、今回は普通にオープンしていました。
最近ここのノベルティバッグ持った人をよく見かけます。
美術館の中から出入りできるドアはいい感じにしつらえてあるのに、閉鎖中でした。
店内一周しましたが、美術館で見た20世紀前半美術が重たくて、いまどきのインテリア雑貨を見ても上の空でした。
空っぽの状態で出直します。
コメント