2022年2月2日にオープンした美術館に行きました。
大阪中之島美術館
大阪メトロ四つ橋線肥後橋駅から西にむかって徒歩10分ぐらい。
国立国際美術館のお隣の、黒い威圧感のある建物です。
京阪中之島線渡辺橋から行く方が新しい感があっていいかもしれません。
徒歩5分ぐらい。
チケットは予約制でした。
大阪市内での仕事の前に行くつもりでチケットをとっていたのですが、流行り病(Dr.ハインリッヒ用語)の濃厚接触者になっていけなくなりました。
払い戻し不可だったので日時変更したチケットで行ってきました。
午前中が一番混むと聞いていたので12時~13時にしましたが、とても混んでいました。
観覧者は(体感)9割高齢者で、入場システムやおしゃれすぎる建物の作りに馴染みがなく、スムーズに事が進まないため余計に混むという印象でした。
みんなが慣れたらもっと過ごしやすい美術館になりそうです。
寄贈コレクション
最初の展示室は、コレクションの中心である佐伯祐三の油絵やお坊さんの水墨画などが展示されていました。
混んでいて、立ち止まって1枚づつ見ることはできませんでした。
佐伯祐三の絵はいろんな美術館で見る機会が多いのですが、こんな華やかな絵だったっけ…という印象。
展示の仕方によるのでしょうか。
ささっと見ただけですが「煉瓦焼き」、「パリ15区街」はとてもすてきでした。
お坊さんの水墨画がシンプルで美しかった…コレクターの山本發次郎さんは趣味がいいなあ。
須田国太郎「安芸竹原頼氏遺邸」は小さい絵ですが、竹原にいるような空間を感じました。
須田国太郎作品、こんな明るいのもあるんですね。
大阪の絵
池田遥邨「雪の大阪」北浜のなにわ橋~大阪城の方角を見た雪景色。
むかしのディズニー映画の世界…私の中では楽しく美しく希望があるイメージ…の風景画です。
雪の日に高いところから見たら今でもこれに近い感じで見えるのか…無理かなあ。
島成園「祭りのよそおい」、吉岡千種「をんごく」はリアルな日常の一コマを描いた大きな絵です。
いろいろ想像すると切なくなる興味深いものです。
こういうタイプを「女性ならではの」っていうのでしょうか。
ありとあらゆるものがある
400点もあるので「はじめてきいた」「現物を初めて見た」「自分から進んでは見ない」作家の作品がたくさんあり、刺激的でした。
イタリア未来派の画家、ウンベルト・ボッチョーニの「街路の力」。
未来派の絵ってこんなにダイナミックなのか~と感動しました。
この絵は「なんだ、こんな絵」と観客に傘で破られて画家本人が修復したそうです。
ダイナミックな上にドラマチック。
ロシアアヴァンギャルドの作品もありました。
独裁者の顔がにくたらしい。
20世紀以降の作品もいっぱいあります。
シュールリアリズム作品やポストモダン作品、日本人なら森村泰昌、やなぎみわ…。
具体美術協会の展示施設「グタイピナコテカ」が中之島にあったということで、それを意識した黒壁の展示室には具体作品が展示されていました。
作品はだいぶ充実しています。
そういえばヤノベケンジ立体作品が美術館の中と外にあって、大人気。
写真を撮る人に囲まれていました。
デザイン作品
商業の街大阪ってことで、デザインコレクションが充実しています。
ウィーン工房の家具や食器、イタリアのハデなプロダクトデザイン、北欧家具。
天保山サントリー美術館から預かっているロートレック、ミュシャなどのポスターが、集中力が続かないぐらい沢山ありました。
ナビ派の画家、ボナールがグラフィックデザインもしていたことを初めて知りました。
絵もすてきですがポスターもすてき。
教科書でおなじみ亀倉勇作の1964東京オリンピックのポスターもありました。
とにかく、ありとあらゆるものがある
準備に40年もかけていただけあってほんとうに盛りだくさんです。
キャプションにその絵にまつわるものがたりが紹介されています。
貸出依頼が多い自慢の作品だとか、今は値段が高騰しているから安い時に購入しておいてよかったとか、ありとあらゆることが書いてあります。
「こんなこと書かんでもいいやん」と、お友達とともにお怒りのマダムもいらっしゃいました。
わたしは「さすが大阪!」と思ったのだが。
最初にチケットを予約したときは、この展覧会を見たあと会議に行く予定でした。
無謀でした。
この展覧会のあとはだいぶ休憩しないと次のことができません。
疲れました!
超コレクション展99ものがたりは3月21日まで。
会期:2022.2.2(水)~3.21(月・祝)
時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料:一般1500円 高大生1100円 中学生以下無料
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