国宝と重要文化財だらけの展覧会はすごい!平日の夕方行ったのでゆっくり見ることができました。
雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生―
七条の京都国立博物館 平成知新館で日本美術史上の最重要画家、雪舟と雪舟に影響を受けた作家の作品が展示されています。
国宝や重要文化財に指定されている雪舟の絵が一時に見られる展覧会。
雪舟は岡山生まれの室町時代の禅僧(画僧)。
超有名な絵は60歳以降に描いたものだそうです。
かっこいいなあ。
もっと知りたい雪舟 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
子ども時代(修行中)、修行に身が入らないためお仕置きとして柱に縛りつけられた時、足もとに落ちた涙で本物と見まがうような鼠の絵を描いたという有名エピソードは作り話だそうです。
そうだろうとは思ってたけど、この話のおかげで雪舟は誰でもが知っている日本人画家かもしれない。
秋冬山水図
薄暗い3階にある雪舟作品から順にみるようになっています。
秋冬山水図、サイズは意外と小さいです。
けど雪舟のぎざぎざてんてん感いっぱいの風景画はつよ~いのであります。
印刷物で見た時、勝手に大きいと思ってるから実物を見た時に小さく感じるんでしょうね。
イメージのサイズ感ギャップも有名作品の実物を見るおもしろさのひとつです。
天橋立図
天橋立図は立体地図みたいな絵ですが、描いた後折り畳んだのか何なのか、折り目があります。
よけいに地図みたい。
これに限らず昔の絵にはちょいちょい折り目があります。
学校で学生に作品返却するとその場で折りたたんでカバンに入れる人がいます。
ついつい大切に扱うように注意しますが、大切にするってそういうことじゃないのかもね。
お寺だけでなく民家?まで細かく描きこんであるけど山や海がひろ~い気持ちいい絵です。
これ、室町時代なのか~。
破墨山水図
空気遠近法の説明するときに画像を使わせてもらっている破墨山水図。
プロジェクタで投影した画像でさえも毎度美しいなあと思います。
広い自然の空間を描いた大きな絵を想像しますが、実物の絵はとても小さい。
弟子に頼まれて描いた絵だということで絵の上部には雪舟のプロフィールがかいてあります。
その上にはえらいお坊さんたちのコメントも。
この絵の役割的にはこの賛部分が重要なんだろうけど、なんかもったいないような…
慧可断臂図
教科書でおなじみ慧可断臂図も展示されています。
これは想像通り大きい。
白い衣の達磨の迫力がすごい。
衣はざっくり太い線で様式的に描いてあるのに、それ以外は妙にリアルで達磨も慧可(神光)も顔がめっちゃ中東系です。
弟子志願の慧可が切り落とした腕の切り口のラインはちゃんと赤で引いてある。
こわい。
四季山水図巻
巻物は何回も通わないと見られないので頭の中に「つづく」って文字が浮かびます。
いいところで終わります。
2階、1階とおりてゆくと長谷川等伯や狩野探幽、伊藤若冲などなどが雪舟の絵を参考にして描いた絵や模写なども展示されています。
巻物の模写は本物と並べて展示したものもあります。
似てるけど「そっくり!」ではありません。
昔の画家のウデはすごいからそっくりそのまま描くこともできたと思うんだけど、そういうことが目的ではなかったのかもしれない…。
じゃあ何が目的の模写なんだ?修行?
富士三保清見寺図
富士三保清見寺図をお手本にした絵が沢山あるんだけど、もとの富士三保清見寺図が雪舟作だと伝えられているだけで実際はどうかわからないみたい。
なんじゃそれ…ですが…狩野探幽の溶けるような富士山図は美しかった。
全部みたあと再度3階に戻ってひとまわり。
2階、1階で気になる絵を見てくたくたになりました。
室町時代の絵、墨の線、描いていない部分の空気、折り目までもすてきでした。
作品が仕上がってすぐ見たらどんな感じだったんだろう。
特別展「雪舟伝説─『画聖(カリスマ)』の誕生」
会場:京都国立博物館 平成知新館
会期:2024年4月13日〜5月26日
開館時間:9:00〜17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(5月6日は開館)、5月7日
料金:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生 700円
@KUA
いやあ、よかったなあとおもいつつ博物館を出て、京都駅に向かう途中で京都市立芸術大学の前を通る。
塩小路通と河原町通に面したギャラリー@KUA(アクア)に寄らずにはおられず入ってしまった。
博物館のついでに入れるなんて、便利になったなあ。
作りがちゃっちいと批判されている@KUAですが、そんなことは全く気にならない地域密着のいい展覧会していました。
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
会期:2024年4月20日(土)–2024年6月9日(日)
開館時間:10:00–18:00休館日月曜日
5月6日(月・振休)は開館、5月7日(火)を休館
入場料:無料
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