北鎌倉から桜木町へ。今回は立ち見ゆえ、ライブハウスらしい中で夢のような体験。
寺沢勘太郎一家 巡業の旅
「寺沢勘太郎一家 巡業の旅」は2015年、憂歌団ギタリスト内田勘太郎さん、元ゆずのプロデューサー寺岡呼人さん、ゆず岩沢厚治さんの3人が東名阪で開催したライブ。
ゆずのライブで前に出てくることのない岩沢さんのフロント姿を見ることができ、
ゆずツアーでほぼ聞けない佳曲を聞くことができ、
憂歌団の曲を歌う独特の声が聞ける、ファンにとっては夢のようなライブです。
今回の「リターンズ」は9年ぶりの横名阪ツアー。
前週は大阪で堪能させてもらいました。
横浜ではありがたく千秋楽に参加させていただきます。
寺沢勘太郎一家 巡業の旅 リターンズ
今回は初めて行くライブハウス、KT Zepp Yokohamaで立ち見です。
横浜のZeppはフラットで、後方が段になってませんでした。
これは全然舞台が見えないパターンですね。
場合によっては背伸び必須です。
疲れが緩和できるよう、ふわふわクッションみたいな後ろの壁にもたれる方式を取りました。
Zepp Osakaは会場内も寒くてオーバー着てマフラー(ツアータオル)を巻いて参加しましたが、今回はアウターは腰に巻き、タオルはカバンに巻いて参加。
気温も内容もアツいライブとなりました。
舞台背景は歌舞伎の定式幕、オープニング曲の唐獅子牡丹、3人の衣装(ハッピ・白シャツ・ハラマキ・太いズボン)、ぎこちない決めポーズは同じ。
呼人さんがポスターと同じく、提灯持ってました。
勘太郎さんの「男はつらいよ」演奏にのせて岩沢さんの口上、呼人さんの歌。
3人それぞれ「父ちゃん」のエピソードトークを披露するのも同じです。
トークとトークの間に歌う「むかし父ちゃんは~♪」っていう短い曲は勘太郎さんが作った「むかし父ちゃんは」という曲だったみたいです。
「トークとトークの間の歌」ではなく、「歌と歌の間のトーク」だったのね。
呼人さんと岩沢さんの話は勘太郎さんのこと。
勘太郎さんの話はお父さんのことでした。
呼人さんは名古屋で大スベリしたそうですが、それがどうした!
3人ともミュージシャンなので面白くなくてもOK!私たちは全力で愛想笑いしますよ。
本編の内容、MC内容はほぼ前週の大阪と同じです。
名古屋は参加していないのでわからないけど、きっとあまりかわらないよね。
まずは呼人さんとバンドで「ウムウム」「パドック」「馴染みの店」。
どれも50代・呼人さん等身大のいい歌です。
千秋楽だからなのか、初日大阪よりバンド+呼人さんがしっくり来てる感じです。
次に呼人さん+岩沢さんのコーナー。
呼び込まれた岩沢さんは故・坂田利夫師匠の歩き方で登場です。
「厚ちゃん、かわいい!」と声がかかると「君もね」と返事。
岩沢さんがかけ声に答えると盛り上がります。
ゆずライブではやってくれないからね。
岩沢さん行きつけのラーメン屋さんからの伝言を伝える人もいました。
ライブハウスならでは、寺沢勘太郎一家ならでは。
呼人さんチョイス・岩沢さん厳選の曲が演奏されます。
(呼人さんはたくさん提案したけど岩沢さんにたくさんカットされたそうで)
きれいな声だけで完結する「方程式2」。
呼人さん激推しの「ぼんやり光の城」。
「ぼんやり光の城」はゆず「嗚呼、青春の日々」のカップリングで3拍子の短い曲。
ぼんやり光の城
岩沢さんならではの着目点で作られています。
歌詞の「何とかっていう有料高速道路さ」の有料高速道路は首都高「横羽線」なんですって。
東京の人は「羽横線」っていうらしいです。
呼人さんによると、光の城はまさに歌詞通りで、
「もうちょい先かな?もっと後ろかな?なんて思った頃に現れては消える」そうです。
何度も何度もお目にかかっては朝になるとなくなってて
気になって気になって仕方がない城。
一度でいいから見てみたいなあ、この曲を聞くたびにぼんやり思っているわたしです。
このかわった曲を岩沢さんのきれいな声で聞けるしあわせ。
ここからバンド参加で呼人さんの「日々平安」
以前呼人さんの大阪公演に、出演予定のなかった岩沢さんが単身ギターとハモニカ持ってこの曲のためだけに参加してくれたそうです。
スタッフなしの単身で、新幹線代も自腹という岩沢さんっぽいエピソード。
お次は「灰皿の上から」。
いやもう、迫力満点のきれいな声。
寺沢勘太郎一家末っ子・岩沢さん単独で「なにをやってもいい」コーナー。
手拍子足拍子を伴う「3番線」。
「3番線」は「ほんと、そのとおり!」といいたくなる皮肉あり教訓?ありの短い曲。
子どもが小・中学生のときによくきかせました。
「……楽しててもいつか決まってやってくるのは総決算」
「人を人と思うだけで人は変わるのに」
最終的にはごった返しの3番線です。
3番線/水平線
そしてそして、たぶん岩沢ファン皆が待っていた「春風」。
このライブ最大のありがとうポイントは間違いなく「春風」です。
ライブの神様ありがとうございます。
岩沢さんの声は1人で歌ってるのに2人以上の声に聞こえる。
ギターの音も相まって、切なさと感動が増幅。
勘太郎さん1人のコーナーへ。
さっそくチューニングしつつ、人生の6分の1はチューニングしているとおっしゃる。
70歳だから11~2年間はチューニングしてるんですね!
1970年代の反戦歌、加川良の「教訓Ⅰ」。
教訓1
勘太郎さんの「戦争反対っ!」って意気込んでない歌い方が却ってコワイ。
お国のためだといわれると青くなって尻ごみなさい 逃げなさい 隠れなさい…みたいな歌詞です。
戦争が始まって我が子や学生たちが徴兵されるなんて考えられないことですが、世界を見渡すと「もしやそこまで迫ってきてる?」とゾッとする。
わたしは何をどうすればいいのか。
勘太郎さんひとりでもう一曲あったかも…記憶にありません。
呼人さん、岩沢さん、バンドも加えて憂歌団の「嫌んなった」「おそうじオバチャン」。
岩沢さんの「嫌んなった~~~ もう駄目さぁ」を何回でも聞きたいと思う。
木村充揮さんの吠えるような元歌と違ってだいぶあっさりしてますが、このぐらいが適度です。
「おそうじオバチャン」の歌詞。
ビルのお掃除おばちゃんが「便所」を掃除する場面がぜんぶ「トイレ」に変わってて違和感~。
「便所」は現在NGワードなんだろうか。
「クソにまみれて2000円」はそのまま歌ってるんだけど…これは言い替えようがないからか。
オバチャンの夢である「かわいいパンティはいてみたい」歌詞も、元のままです。
「きれいなフリル」や「いちごの模様」や「黄色いリボン」はいいとして、「あそこの部分の透けてんの」を勘太郎さんのリクエストにより、呼人さんは2回繰り返してました。
勘太郎さん絡みの曲は考える部分が多いなあ…70年代だなあ。
ゆずの「ヒーロー見参」フル岩沢バージョンも再び聞くことができました。
ミステリアスでかっこいい系の曲だけどまっすぐにキレイな声で歌う岩沢さん。
興味深いじゃないか。
大好きな「始発列車」もありました。
アンコールはタイトルを知らない勘太郎さんの曲、ゆずの「月曜日の週末」、呼人さんの「酔いどれ天使」。
「月曜日の週末」は「そんなことは」からのタメがえらく長かったよ。
気持ちいいんでしょうね。
こちらも気持ちいいです。
最後に記念撮影をして終了しました。
舞台を見たい時には背伸びをしながら、後ろの壁にもたれながらの2時間半。
あまり疲れることなく感動しただけでした。ありがとうございました!
次回は9年後だそうです。
会場のみんなは「え~~~~っっ」って不満そうだったけど、もしかしたらその方がありがたみが増して、感動も増すのかも。
またチケットがとれますように。
9年後、勘太郎さんは79歳だって。すごいわ。
ホテルに帰って窓からの景色を見ながらシウマイ弁当を食べました。
崎陽軒 シウマイ弁当 横浜版 ミニチュアコレクション ガチャ
この日はタイポグラフィの展覧会を見て、東慶寺でゆるんで、KT Zepp Yokohamaで夢のようなライブを見ました。
濃い1日でした。
ありがたいありがたい。
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