歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力@大阪中之島美術館

歌川国芳 流行猫の変化

大量の浮世絵と肉筆画、みてきました。

歌川国芳

歌川国芳は江戸末期の浮世絵師で武者絵や戯画をいっぱい作っている画家。
絵には「一勇斎国芳」とサインがはいっています。
大阪市立美術館が改装する前に大きな展覧会見に行ったよな…と思ったんですが、あれはもう15年ぐらい前だったかもしれない。
印象が強すぎて最近だったような気がします。

歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力

展覧会は平日なのに混んでいました。
浮世絵の展覧会は薄暗いし、絵が小さいので混んでいるとホントに見づらい!
人がうずまく入口に近い展示室を通り過ぎて奥に入ってゆきました。
みんなの集中力が切れたぐらいの展示からはじっくり見ることができます。
勇ましい武者絵が大量にあります。
そして浮世絵と言えば…の歌舞伎役者や花魁のブロマイドが普通に楽しい。
わたしが江戸時代の人だったらもっと楽しめたんだろうなぁ。
着物の柄もおしゃれだし…これらの柄を選んだ意味がわかればもっと面白そう。
教養がなくて残念です。

歌川国芳のメインはおもしろアイデアいっぱいの戯画・風刺画です。
おもちゃや動物を擬人化した絵はとてもおもしろい。
自分が廻されるはずのコマたちが、ダルマを廻してる。
障子越しに見た、絡んでる猫の影が獅子頭や般若面に見える。
そこに「はんにやあめん」ってかいてあるのは、猫の鳴き声と般若をかけてるね。
幕府の締め付けで役者や遊女の絵が描けない時には人間を猫におきかえています。


歌川国芳 おぼろ月猫の盛 56x42.8cm 大判ポスター 複製 版画 小原古邨 川瀬巴水 北斎 歌麿 土屋光逸

遊郭の張見世を描いたうちわ用の絵「おぼろ月猫の盛り」は猫たちで賑やかな通りが屋根の上(2階)っていうのもオカシイ。

いろんなポーズの人を寄せ集めて顔を作った「寄せ絵」はおもしろ気持ち悪い。

みかけハこハゐがとんだいゝ人だ

16世紀イタリアで花や果物を集めた顔を描いていたアルチンボルドの絵と同じ気持ち悪さです。
時代も国も違うけど考えることは似ている。


絵画風 壁紙ポスター(はがせるシール式) ジュゼッペ・アルチンボルド 四季 夏 キャラクロ K-ACB-001S2 (488mm×594mm) 建築用壁紙+耐候性塗料 <日本製> ウォールステッカー お風呂ポスター

外国の本の挿絵を参考にしたシブイ作品もありました。
「忠臣蔵十一段目夜討之図」
タイトルのわりに遠近法が西洋っぽくて違和感があると思ったら、出口近くで参考にした本が展示されていました。

大量の作品がありましたが、いちばんすきだったのは「てるてる法主おひよりおどり」
「てるてる法主」とか何とか描いた着物着てとぼけた顔のてるてるぼうずが5人踊っています。
上半分には「おひより ごきとふ…」と歌詞?がはいってます。
なんじゃこれ。
江戸時代のてるてるぼうずは今と比べるとだいぶ手のこんだ着物を着ています。

おもしろかった。
展示室を出ると売店で大量の国芳グッズ。
ネコキャラクター中心で、てるてるぼうずのは見つかりませんでした。
いちばんかわいかったのに…

今回見たのは江戸時代に印刷された風俗画です。
200年後、文春に載ってる写真のトリミング前の出力や少年ジャンプの漫画の原画が美術館に展示されるのかな。
一緒に文春、ジャンプの現物も展示される。
そこに載ってる現在大騒ぎのフジテレビ問題を見た200年後の鑑賞者は「ふ~ん」っていう。
出てくるスポンサーは名前がかわったり廃業して誰も知らない企業になってる。
何だったら使われてる文字のフォントが古文書みたいに読めなくなってるかも!
…いやいや、ジャンプは展示されても文春はないか。

どちらにせよ、ラジオでモリタクさんの声が聞けなくなったこともなにもかも、200年後には全部風の中。

歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力
会場:大阪中之島美術館 4階展示室(大阪市北区中之島4-3-1)
会期:12月21日(土)~2025年2月24日(月・休) 2月24日(月・休)は開館
時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
入場料:一般 1,800円/高大生1,500円)/小中生500円 

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