都会のまんなか西天満のGALLERY wks.能勢移転後初めておうかがいしました。名前がvitokurasにかわっていました。
toyono gallery vitokuras
GALLERY wks.は南森町からも北浜からも近い超便利エリアにある都会のクールなギャラリーでした。
オーナーさんは若い作家を応援したり美術のよさを社会に広めたり、大事な役割を担ってくださっている深く優しい方です。
2022年、移転に伴い名前がwks.からvitokurasになりました。
「美と暮らす」
名前も「都会にぴったり」→「自然の中にぴったり」に変化したんですね。
「しまだそう展 縁側のomnibus」を見るためはじめてvitokurasにゆきました。
能勢電鉄
はじめて電車で能勢にゆきました…と思うんですが、子どもの頃に乗ってるかも。
2両編成の電車で川西能勢口から妙見口までゆきます。(山下で乗り換え)
阪急電車と同じ車両ですが、日よけスクリーンに風景柄がプリントされており、能勢電の歴史を紹介する額入りの写真がずらっと展示してあって公民館の一室みたい。
車内をベージュの蛾が飛びまわっており、床の上にはその種類の蛾の死体がぽつぽつ落ちています。
シートの足もとにクモの巣が張ってるし「田舎に出かける夏休み」感いっぱいな状態!
さっきまで乗っていた宝塚線とはえらい違いです。
沿線はずっと住宅街で、川西能勢口から乗った人がどんどん降りてゆきます。
乗ってくる人はほぼいません。
途中トンネルを抜けると車窓からダイナミックな山、川の風景も見えます。
山下駅で乗り換えてからはもともと1車両に3人ぐらいしかいなかった乗客が下りてゆき、最後はわたしだけになりました。
終点妙見口はとても静かで夏休みの緑の匂いがします。
鳥の大きな鳴き声がきこえていました。
妙見山は運命をつかさどる北極星信仰の聖地だそうです。
夜は星がきれいなんだろうな。
vitokuras
駅を出てギャラリーにむかいます。
お寺の石段下でスポーツバイクを止めて猫と遊ぶ人、魚とりから帰ってくる子どもとすれ違いました。
静かな国道を渡って川沿いに坂をのぼると左側に古いけど新しい建物が見えます。
川沿いをそのまま奥に進むとがっつり緑の涼しそうな景色。
急な坂をあがるとvitokurasです。
お庭には大きなオブジェや小さなオブジェとかっこいい枝ぶりの金木犀があります。
樹肌についてる古い苔が福田平八郎の絵みたい。
縁側の向こうが大きな展示室で、しまだ先生の絵が見えます。
おうちのようなギャラリーなので、いきなりドアを開けて入っていいのかどうかわからず一応玄関ベルをならしてからドアをあけます。
中にはいるとすぐ展示室になっていてしまだワールドがはじまっていました。
白い壁に木目がきれいなフローリングの床。
作品が活きますね~。
隣の部屋は広い展示室で、奥に幅3メートル以上ある大きな絵がかかっています。
絵にぴったりの気持ちよい空間!
絵だけ見た時と、窓の外に広がる風景と絵を並列で見た時とは雰囲気がかわります。
当たり前のことですが作品を置く環境はとても大事ですねえ。
そうそう。
今まで色々なタイプの芳名帳に署名しましたが、こちらは和紙の巻紙に柔らかい芯の鉛筆で署名します。
何て気持ちのよい書き心地!感動的でございました。
しまだ先生の作品もギャラリーの居心地もあまりにもよすぎてついつい長居してしまいました。
おじゃましました。
帰り道を歩きながら「作品の写真を撮らせてもらえばよかった!」と思い出す。
写真を撮ることなんかその場ではぜんぜん頭に浮かばない作品+空間だったのです。
坂をおりて下の道からギャラリーを見上げると、大きな窓からしまだ先生の「キ」が見えました。
次回は誰かを誘って行ってみようと思いました。
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